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剰余の定理と因数定理の使い方をわかりやすく解説

公開日: 2026/7/10

📐 公式まとめ

  • 1. 剰余の定理とは

    P(x)÷(x−a) の余り=P(a)P(x) \div (x - a) \text{ の余り} = P(a)
  • 2. 因数定理とは

    P(a)=0⟺P(x) は (x−a) を因数に持つP(a) = 0 \quad \Longleftrightarrow \quad P(x) \text{ は } (x-a) \text{ を因数に持つ}

1. 剰余の定理とは

多項式 P(x)P(x) を1次式 x−ax-a で割ったときの余りは、実際に割り算をしなくても P(a)P(a) を計算するだけでわかります。これを剰余の定理といいます。

P(x)÷(x−a) の余り=P(a)P(x) \div (x - a) \text{ の余り} = P(a)

これは、P(x)=(x−a)Q(x)+RP(x) = (x-a)Q(x) + R(Q(x)Q(x) は商、RR は余りの定数)と表したとき、x=ax=a を代入すると (x−a)(x-a) の項が 00 になり P(a)=RP(a)=R となることからわかります。

1.1. 例題1: 剰余の定理で余りを求める

P(x)=x3−4x2+2x+1P(x) = x^3 - 4x^2 + 2x + 1 を x−2x-2 で割った余りを求めなさい。

剰余の定理より、余りは P(2)P(2) を計算すればよいので、

P(2)=23−4×22+2×2+1=8−16+4+1=−3P(2) = 2^3 - 4\times2^2 + 2\times2 + 1 = 8 - 16 + 4 + 1 = -3

よって、余りは −3-3 です。

2. 因数定理とは

剰余の定理で余りが 00 になる、つまり P(a)=0P(a)=0 となる場合、P(x)P(x) は x−ax-a で割り切れるということです。これを因数定理といいます。

P(a)=0⟺P(x) は (x−a) を因数に持つP(a) = 0 \quad \Longleftrightarrow \quad P(x) \text{ は } (x-a) \text{ を因数に持つ}

因数定理を使うと、3次以上の方程式(高次方程式)の解を見つけたり、高次式を因数分解したりできます。

3. 因数定理を使った高次方程式の解き方

  1. 定数項の約数の中から P(a)=0P(a)=0 となる aa を探す
  2. 見つかった aa を使って P(x)P(x) を (x−a)(x-a) で割り算し、商を求める
  3. 商が2次式になったら、因数分解の公式 や解の公式でさらに解く

3.1. 例題2: 三次方程式を解く

方程式 x3−6x2+11x−6=0x^3 - 6x^2 + 11x - 6 = 0 を解きなさい。

定数項 −6-6 の約数の中から代入して 00 になるものを探すと、x=1x=1 のとき、

1−6+11−6=01 - 6 + 11 - 6 = 0

となり、P(1)=0P(1)=0 です。よって (x−1)(x-1) が因数なので、P(x)P(x) を (x−1)(x-1) で割ると、

x3−6x2+11x−6=(x−1)(x2−5x+6)=(x−1)(x−2)(x−3)x^3 - 6x^2 + 11x - 6 = (x-1)(x^2 - 5x + 6) = (x-1)(x-2)(x-3)

よって、解は x=1,2,3x = 1, 2, 3 です。

4. 因数定理で多項式を因数分解する

方程式を解くのと同じ手順で、高次式そのものを因数分解することもできます。

4.1. 例題3: 因数定理で因数分解する

x3+2x2−5x−6x^3 + 2x^2 - 5x - 6 を因数分解しなさい。

x=−1x=-1 を代入すると、

(−1)3+2(−1)2−5(−1)−6=−1+2+5−6=0(-1)^3 + 2(-1)^2 - 5(-1) - 6 = -1 + 2 + 5 - 6 = 0

よって (x+1)(x+1) が因数です。割り算すると商は x2+x−6=(x+3)(x−2)x^2+x-6=(x+3)(x-2) となるので、

x3+2x2−5x−6=(x+1)(x+3)(x−2)x^3 + 2x^2 - 5x - 6 = (x+1)(x+3)(x-2)

(本文中への画像挿入案: /images/math-2/jouyo-insuu-teiri-syoho.png、alt=「多項式の割り算と剰余の定理の関係を示した図」をこのセクションの下に配置すると、P(x)=(x-a)Q(x)+Rの構造が視覚的に伝わりやすくなります。)

5. クイズ

  1. P(x)=2x3−3x2+x−5P(x) = 2x^3 - 3x^2 + x - 5 を x+1x+1 で割った余りを求めなさい。

    • 答えを見る正解: −11-11。剰余の定理より、余りは P(−1)=2(−1)3−3(−1)2+(−1)−5=−2−3−1−5=−11P(-1) = 2(-1)^3-3(-1)^2+(-1)-5=-2-3-1-5=-11。
  2. P(x)=x3−2x2−x+2P(x) = x^3 - 2x^2 - x + 2 は x−1x-1 を因数に持つか判定し、持つ場合は因数分解しなさい。

    • 答えを見る正解: P(1)=1−2−1+2=0P(1)=1-2-1+2=0 なので因数に持つ。割り算すると商は x2−x−2=(x−2)(x+1)x^2-x-2=(x-2)(x+1) なので、P(x)=(x−1)(x−2)(x+1)P(x)=(x-1)(x-2)(x+1)。
#剰余の定理#因数定理#高次方程式