複素数と二次方程式【虚数単位・解の公式・判別式】
実数の範囲では解けなかった方程式が、複素数の世界では必ず解けます。複素数の計算と、二次方程式の解の分類をしっかりマスターしましょう。
1. 虚数単位 i
x2=−1 を満たす数は実数には存在しません。そこで、この方程式の解を虚数単位 i として定義します。
i2=−1
i は "imaginary(想像上の)" の頭文字です。i の累乗は周期 4 で繰り返します。
| i1 |
i2 |
i3 |
i4 |
i5 |
… |
| i |
−1 |
−i |
1 |
i |
… |
2. 複素数の定義
実数 a,b を使って a+bi と書かれる数を複素数(ふくそすう)と言います。
z=a+bi(a,b∈R)
- a:実部(じつぶ、Real part)
- b:虚部(きょぶ、Imaginary part)
- b=0 なら実数、b=0 なら虚数
- 特に a=0,b=0 なら純虚数(じゅんきょすう)
2.1. 複素数の相等
a+bi=c+di のとき a=c かつ b=d(実部・虚部がそれぞれ等しい)。
3. 複素数の計算
z1=a+bi、z2=c+di のとき:
加法・減法
(a+bi)±(c+di)=(a±c)+(b±d)i
乗法
(a+bi)(c+di)=ac+adi+bci+bdi2=(ac−bd)+(ad+bc)i
除法(分母の有理化)
c+dia+bi=(c+di)(c−di)(a+bi)(c−di)=c2+d2(ac+bd)+(bc−ad)i
3.1. 共役複素数
z=a+bi に対して zˉ=a−bi を共役複素数と言います。
z⋅zˉ=(a+bi)(a−bi)=a2+b2(実数)
3.2. 例題1:複素数の計算
(2+3i)(1−2i) を計算せよ。
解答
(2+3i)(1−2i)=2−4i+3i−6i2=2−i−6(−1)=2−i+6=8−i
3.3. 例題2:除法
2−i1+i を計算せよ。
解答
2−i1+i=(2−i)(2+i)(1+i)(2+i)=4+12+i+2i+i2=52+3i−1=51+3i=51+53i
4. 二次方程式と判別式
二次方程式 ax2+bx+c=0(a=0)の解の公式:
x=2a−b±b2−4ac
判別式 D=b2−4ac の値によって解の種類が決まります。
| D の値 |
解の種類 |
| D>0 |
異なる 2 つの実数解 |
| D=0 |
重解(実数) |
| D<0 |
共役な 2 つの虚数解 |
4.1. 例題3:複素数の解
x2−2x+5=0 を解け。
解答
x=22±4−20=22±−16=22±4i=1±2i
解は x=1+2i と x=1−2i(共役複素数の対)。
5. 解と係数の関係(ビエタの公式)
ax2+bx+c=0 の 2 解を α,β とすると:
α+β=−ab,αβ=ac
これをビエタの公式(解と係数の関係)と言います。
5.1. 例題4:解と係数の関係の応用
二次方程式 x2−5x+3=0 の 2 解 α,β について、α2+β2 の値を求めよ。
解答
ビエタの公式より α+β=5、αβ=3。
α2+β2=(α+β)2−2αβ=25−6=19
5.2. 例題5:2 解が与えられた方程式を作る
2 解が 2+i と 2−i の二次方程式を作れ。
解答
(α+β)=(2+i)+(2−i)=4
αβ=(2+i)(2−i)=4+1=5
よって方程式は x2−4x+5=0。
6. まとめ
| ポイント |
内容 |
| i2=−1 |
虚数単位の定義 |
| 複素数 |
a+bi の形、実部・虚部 |
| 除法 |
共役複素数で分母を有理化 |
| 判別式 |
D=b2−4ac で解の種類を判別 |
| ビエタの公式 |
α+β=−b/a、αβ=c/a |
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8. クイズ
問題1:1+2i3−i を a+bi の形に表せ。
答えを見る
(1+2i)(1−2i)(3−i)(1−2i)=1+43−6i−i+2i2=53−7i−2=51−7i=51−57i
問題2:x2+4x+13=0 を解け。
答えを見る
x=2−4±16−52=2−4±−36=2−4±6i=−2±3i
問題3:二次方程式 x2+px+q=0 の 2 解の和が −3、積が 7 のとき p,q を求めよ。
答えを見る
ビエタの公式:α+β=−p=−3⇒p=3、αβ=q=7。
答え:p=3,q=7