1. 三角比とは
直角三角形において、ある角の大きさに対して辺の長さの比は一定です。この比を三角比といいます。
角 θ(シータ)を含む直角三角形で、
- 斜辺:直角に対する辺(最も長い辺)
- 対辺(高さ):角 θ の向かいの辺
- 隣辺(底辺):角 θ の隣の辺(斜辺を除く)
とすると、三角比は次のように定義されます。
sinθ=斜辺対辺,cosθ=斜辺隣辺,tanθ=隣辺対辺

覚え方:「サイン対斜辺、コサイン隣斜辺、タンジェント対隣」
また、tanθ=cosθsinθ も重要な関係です。
2. 代表的な角度の三角比
| θ |
sinθ |
cosθ |
tanθ |
| 30° |
21 |
23 |
31=33 |
| 45° |
22 |
22 |
1 |
| 60° |
23 |
21 |
3 |
これらは直角三角形の辺の比(1:1:2 と 1:3:2)から導かれます。
2.1. 例題1:三角比の値を求める
斜辺が 5、対辺が 3、隣辺が 4 の直角三角形において、角 θ(対辺の向かい角)について sinθ、cosθ、tanθ を求めなさい。
sinθ=53,cosθ=54,tanθ=43
2.2. 例題2:三角比から辺の長さを求める
sin30°=21 を使う。斜辺が 10 の直角三角形で θ=30° のとき対辺を求めなさい。
対辺=斜辺×sin30°=10×21=5
3. 三角比の相互関係
三角比の間には次の3つの重要な関係があります。
関係1:
sin2θ+cos2θ=1
これはピタゴラスの定理から導かれる最も重要な恒等式です。
関係2:
tanθ=cosθsinθ
関係3:
1+tan2θ=cos2θ1
(関係1の両辺を cos2θ で割ることで導かれます)
3.1. 例題3:相互関係を使った計算
sinθ=53(0°<θ<90°)のとき、cosθ と tanθ を求めなさい。
cosθ を求める:
sin2θ+cos2θ=1⟹(53)2+cos2θ=1
cos2θ=1−259=2516
0°<θ<90° なので cosθ>0、よって cosθ=54。
tanθ を求める:
tanθ=cosθsinθ=4/53/5=43
3.2. 例題4:tanθ から他を求める
tanθ=2(0°<θ<90°)のとき、sinθ、cosθ を求めなさい。
1+tan2θ=cos2θ1 を使います。
1+4=cos2θ1⟹cos2θ=51⟹cosθ=51=55
sinθ=tanθ⋅cosθ=2×55=525
4. クイズ
-
cos60° と tan45° の値を答えなさい。
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正解:cos60°=21、tan45°=1。
-
cosθ=135(0°<θ<90°)のとき、sinθ を求めなさい。
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正解:sinθ=1312。sin2θ=1−16925=169144、sinθ>0 より sinθ=1312。
-
次の式を簡単にしなさい:sin230°+cos230°
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正解:1。三角比の相互関係 sin2θ+cos2θ=1 より、任意の角で成立します。