1. 空間図形への三角比の応用
平面上の三角形では正弦定理・余弦定理・面積公式を使いましたが、空間図形(立体)の問題でも、適切な断面や平面を取り出して三角比を利用します。
解くときの基本手順:
- 求めたい辺・角が含まれる直角三角形や三角形を見つける。
- その三角形に三角比の公式を適用する。
- 必要なら複数の三角形を組み合わせて答えを求める。
2. 仰角・俯角
地上の観測点から上方を見上げたときの水平面とのなす角を仰角(ぎょうかく)、下方を見下ろしたときの角を俯角(ふかく)といいます。
2.1. 例題1:仰角を使って高さを求める
地面の点 A から木の頂点 T を見上げたときの仰角が 30° であった。A から木の根本 B までの距離が 20 m のとき、木の高さ h を求めなさい。
直角三角形 ABT で ∠BAT=30°(仰角)、AB=20 m(底辺)、BT=h(高さ)。
tan30°=ABBT=20h
h=20×tan30°=20×31=3203≈11.5 m
2.2. 例題2:2方向の仰角から距離を求める
点 C と D から塔の頂点 T を見上げると仰角がそれぞれ 45° と 60° であった。C と D は塔の根本 O から同じ方向にあり、CD=10 m のとき、塔の高さ h を求めなさい。
CO=x とおくと DO=x−10(D は C より塔に近い)。
tan45°=xh⟹h=x
tan60°=x−10h⟹h=3(x−10)
h=x を代入すると、
x=3(x−10)⟹x=3x−103
x(1−3)=−103⟹x=3−1103=2103(3+1)=53(3+1)
h=x=53(3+1)=5(3+3)=15+53 m
3. 正四角錐の計量
底面が正方形で頂点が真上にある正四角錐の高さや体積を三角比で求めます。
3.1. 例題3:正四角錐の高さと体積
底面の1辺が 4、すべての側面が正三角形(辺 4)である四角錐 O-ABCD の高さと体積を求めなさい。
底面の正方形 ABCD の対角線の半分が底面の中心から各頂点までの距離になります。
対角線=42,中心から頂点=242=22
頂点 O から底面の中心 M までが高さ h、OM⊥ 底面。
側面の辺 OA=4(正三角形の辺)、MA=22。
OA2=OM2+MA2⟹16=h2+8⟹h2=8⟹h=22
体積:
V=31×底面積×高さ=31×42×22=3322
4. 円錐の計量
4.1. 例題4:円錐の高さと体積
母線の長さが l=6、半頂角(母線と軸のなす角)が θ=30° の円錐の底面の半径 r、高さ h、体積 V を求めなさい。
r=lsin30°=6×21=3
h=lcos30°=6×23=33
V=31πr2h=31×π×9×33=93π
5. 問題を解くときのポイント
- 空間図形は必ず断面図・正面図・平面図をスケッチする。
- 求めたい辺を含む直角三角形を探す。
- 底面(平面部分)と高さ(鉛直部分)は常に直角をなす。
6. クイズ
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地面の点 P から建物の頂上を見上げると仰角が 60° だった。建物の根本 Q まで 15 m のとき、建物の高さを求めなさい。
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正解:153 m。h=15tan60°=153。
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正三角錐(底面が正三角形、辺がすべて 6)の高さを求めなさい。
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正解:h=26。底面の正三角形(辺 6)の重心から頂点までの距離 =36=23。高さ:h2=62−(23)2=36−12=24、h=26。
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底面の半径 r=4、高さ h=3 の円錐の母線の長さを求めなさい。
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正解:l=5。l=r2+h2=16+9=25=5。