1. 二次不等式とは
ax2+bx+c>0(a=0)のような二次式を用いた不等式を二次不等式といいます。グラフ(放物線)と x 軸の位置関係を使って解きます。
2. 解法の基本方針
y=ax2+bx+c のグラフを考えます。
- ax2+bx+c>0 の解 → グラフが x 軸より上にある x の範囲
- ax2+bx+c<0 の解 → グラフが x 軸より下にある x の範囲
3. 判別式と解の個数
D=b2−4ac
| 判別式 |
x 軸との交点 |
説明 |
| D>0 |
2点で交わる |
実数解が2個(α<β) |
| D=0 |
1点で接する |
重解(α=β) |
| D<0 |
交わらない |
実数解なし |
4. a>0(下に凸)のときの解
D>0(2つの異なる実数解 α<β)
グラフは α と β の間で x 軸の下にあります。
ax2+bx+c>0⇒x<α または x>β
ax2+bx+c<0⇒α<x<β
D=0(重解 α)
グラフは x=α でのみ x 軸に接し、それ以外では x 軸より上。
ax2+bx+c>0⇒x=α のすべての実数
ax2+bx+c<0⇒解なし
D<0(実数解なし)
グラフは常に x 軸より上。
ax2+bx+c>0⇒すべての実数
ax2+bx+c<0⇒解なし
5. 例題で確認
5.1. 例題1:D>0 の場合
x2−5x+4<0
左辺を因数分解します。
x2−5x+4=(x−1)(x−4)
α=1、β=4、a=1>0 なので、
1<x<4
5.2. 例題2:D>0、大なり不等号
x2−3x−10>0
x2−3x−10=(x+2)(x−5)
α=−2、β=5、a=1>0 なので、
x<−2 または x>5
5.3. 例題3:D=0 の場合
x2−6x+9≤0
x2−6x+9=(x−3)2
重解 α=3、a=1>0 なので (x−3)2≤0 を満たすのは (x−3)2=0 のときのみ。
x=3
5.4. 例題4:D<0 の場合
x2+x+1>0
判別式:D=12−4⋅1⋅1=1−4=−3<0
a=1>0 かつ D<0 なので、グラフは常に x 軸より上。
すべての実数
5.5. 例題5:a<0(上に凸)の場合
−x2+4x−3>0
両辺に −1 をかけて(不等号の向きを逆に):
x2−4x+3<0⟹(x−1)(x−3)<0
1<x<3
6. 解法のまとめ(フローチャート)
二次不等式を解く手順
1. a > 0 になるよう調整(必要なら両辺に -1 をかけて不等号逆転)
2. 左辺の判別式 D を計算
3. D > 0 → 実数解 α < β を求めてグラフから解を読む
D = 0 → 重解 α を求める(「解なし」か「x = α のみ」か「x ≠ α」)
D < 0 → 「解なし」か「すべての実数」
7. クイズ
-
x2−7x+10≤0 を解きなさい。
答えを見る
正解:2≤x≤5。(x−2)(x−5)≤0 なので α=2、β=5。下に凸、小なり等号なので α と β の間(端点含む)。
-
x2−4x+4>0 を解きなさい。
答えを見る
正解:x=2 のすべての実数。(x−2)2>0 は x=2 以外で成立。
-
−2x2+3x−5>0 を解きなさい。
答えを見る
正解:解なし。両辺に −1 をかけると 2x2−3x+5<0。判別式 D=9−40=−31<0、a=2>0 なので 2x2−3x+5>0 が常に成立。よって不等式を満たす x は存在しない。