定積分の計算【基本定理・置換・部分積分の応用】
定積分は積分法の核心であり、面積・体積・曲線の長さなど広い応用を持ちます。この記事では微積分の基本定理から出発し、置換積分・部分積分を定積分でどう使うか、具体的な計算手順とともに解説します。
1. 微積分の基本定理
f(x) が [a,b] で連続で F′(x)=f(x) のとき
∫abf(x)dx=[F(x)]ab=F(b)−F(a)
これが微積分の基本定理(Newton-Leibniz の公式)です。不定積分で原始関数 F(x) を求め、上限・下限を代入するだけで定積分の値が計算できます。
1.1. 定積分の基本的な性質
∫abf(x)dx=−∫baf(x)dx
∫aaf(x)dx=0
∫ab[f(x)±g(x)]dx=∫abf(x)dx±∫abg(x)dx
∫abkf(x)dx=k∫abf(x)dx
∫abf(x)dx=∫acf(x)dx+∫cbf(x)dx
2. 偶関数・奇関数の定積分
原点について対称な区間 [−a,a] では計算が大幅に楽になります。
- f(x) が偶関数(f(−x)=f(x))のとき:
∫−aaf(x)dx=2∫0af(x)dx
- f(x) が奇関数(f(−x)=−f(x))のとき:
∫−aaf(x)dx=0
3. 置換積分(定積分への応用)
不定積分と異なり、定積分で置換するときは積分の上限・下限も変換する必要があります。
x=g(t) と置くと dx=g′(t)dt、かつ
- x=a⟹t=α(g(α)=a)
- x=b⟹t=β(g(β)=b)
∫abf(x)dx=∫αβf(g(t))g′(t)dt
3.1. 例題(置換積分)
問題1: ∫01x1−x2dx を求めなさい。
解答:
t=1−x2 とおくと dt=−2xdx、すなわち xdx=−21dt。
上限・下限の変換:
-
x=0⟹t=1
-
x=1⟹t=0
∫01x1−x2dx=∫10t⋅(−21)dt=21∫01tdt
=21[32t3/2]01=21⋅32=31
問題2: ∫0π/2sin3xcosxdx を求めなさい。
解答:
t=sinx とおくと dt=cosxdx。
-
x=0⟹t=0
-
x=π/2⟹t=1
∫0π/2sin3xcosxdx=∫01t3dt=[4t4]01=41
4. 部分積分(定積分への応用)
∫abf(x)g′(x)dx=[f(x)g(x)]ab−∫abf′(x)g(x)dx
4.1. 例題(部分積分)
問題3: ∫01xexdx を求めなさい。
解答:
f(x)=x、g′(x)=ex とおくと f′(x)=1、g(x)=ex。
∫01xexdx=[xex]01−∫01exdx
=(1⋅e1−0)−[ex]01=e−(e−1)=1
問題4: ∫1elogxdx を求めなさい。
解答:
f(x)=logx、g′(x)=1 とおくと f′(x)=x1、g(x)=x。
∫1elogxdx=[xlogx]1e−∫1ex⋅x1dx
=(eloge−1⋅log1)−∫1e1dx
=(e⋅1−0)−[x]1e=e−(e−1)=1
5. 区分求積法と定積分の関係
n→∞limk=1∑nf(nk)n1=∫01f(x)dx
この公式は区分求積法と定積分を結ぶもので、数列の極限を定積分に帰着させるときに使います。
例: n→∞limn1k=1∑nnk=∫01xdx=[32x3/2]01=32
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6. クイズ
-
∫−22(x3+3x)dx の値はいくらですか?
正解: 0
f(x)=x3+3x は奇関数(f(−x)=−f(x))なので、[−2,2] の対称区間での積分は 0。
-
∫0πsinxdx の値を求めなさい。
正解: 2
∫0πsinxdx=[−cosx]0π=(−cosπ)−(−cos0)=1+1=2。
-
∫01xe2xdx を部分積分で求めなさい。
正解: f(x)=x、g′(x)=e2x(g(x)=21e2x)で部分積分。[2xe2x]01−∫0121e2xdx=2e2−[41e2x]01=2e2−4e2−1=4e2+1。