無限級数【等比無限級数・収束条件】
「無限に足し続けたとき、その合計は有限の値に近づくのか?」——これが無限級数の中心的な問いです。直感的に不思議に感じますが、収束・発散の条件を理解すれば明確に判定できます。
1. 無限級数とは
数列 {an} の各項を無限に加えた式
n=1∑∞an=a1+a2+a3+⋯
を無限級数といいます。
部分和 Sn を
Sn=a1+a2+⋯+an=k=1∑nak
と定義します。n→∞ のとき Sn が一定の値 S に収束するならば、無限級数はその値に収束するといい
n=1∑∞an=S
と書きます。Sn が収束しない場合は、無限級数は発散します。
2. 収束の必要条件
無限級数 n=1∑∞an が収束するならば、n→∞liman=0
注意: これは必要条件であり、十分条件ではありません。limn→∞an=0 であっても発散する無限級数は存在します(調和級数 ∑n1 が典型例)。
3. 等比無限級数
初項 a、公比 r の等比数列の無限級数
n=1∑∞arn−1=a+ar+ar2+⋯
を等比無限級数といいます。
3.1. 収束・発散の条件と和
| 公比 r の範囲 |
結果 |
| ∣r∣<1 |
収束。和 S=1−ra |
| ∣r∣≥1(a=0) |
発散 |
3.2. なぜ ∣r∣<1 で収束するか
部分和は
Sn=1−ra(1−rn)(r=1)
∣r∣<1 のとき rn→0(n→∞)なので
n→∞limSn=1−ra(1−0)=1−ra
∣r∣>1 のとき ∣rn∣→∞ なので Sn は発散します。r=1 のとき Sn=na→±∞、r=−1 のとき Sn は振動して発散します。
4. 無限級数の基本的な性質
収束する無限級数 ∑an=A、∑bn=B に対して
n=1∑∞(an±bn)=A±B
n=1∑∞kan=kA(k は定数)
が成り立ちます。
5. 循環小数と等比無限級数
循環小数は等比無限級数で表せます。例えば 0.3=0.333⋯ は
0.3+0.03+0.003+⋯=1−0.10.3=0.90.3=31
と確認できます。
6. 例題
問題1: 次の等比無限級数の収束・発散を判定し、収束する場合は和を求めなさい。
3+1+31+91+⋯
解答:
初項 a=3、公比 r=31。
∣r∣=31<1 なので収束する。
S=1−ra=1−313=323=29
問題2: 次の無限級数の和を求めなさい。
n=1∑∞n(n+1)1
解答:
部分分数分解を使います。
n(n+1)1=n1−n+11
部分和を計算すると(望遠鏡和):
Sn=(1−21)+(21−31)+⋯+(n1−n+11)=1−n+11
n→∞limSn=n→∞lim(1−n+11)=1
よって n=1∑∞n(n+1)1=1。
問題3: n=1∑∞(2x)n が収束するような x の範囲を求めなさい。
解答:
等比無限級数(初項 2x、公比 2x)が収束するには ∣2x∣<1 が必要です。
−1<2x<1⟹−21<x<21
ただし x=0 のとき ∑0=0 で収束するので、−21<x<21。
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7. クイズ
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等比無限級数 1+21+41+81+⋯ の和はいくらですか?
正解: 2
初項 a=1、公比 r=21。∣r∣<1 なので S=1−211=2。
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無限級数 n=1∑∞(−32)n は収束しますか? 収束する場合は和を求めなさい。
正解: 収束し、和は −52
初項 a=−32、公比 r=−32。∣r∣=32<1 なので収束。S=1−(−32)−32=35−32=−52。
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等比無限級数 n=0∑∞3⋅rn が収束するための r の条件を答えなさい。
正解: −1<r<1
収束条件は ∣r∣<1、すなわち −1<r<1。