媒介変数表示の微分【パラメータ微分・曲線の接線】
x と y をそれぞれ第三の変数(パラメータ、媒介変数)t で表した曲線の微分を求める方法を学びます。サイクロイドや楕円など、y=f(x) の形で直接表しにくい曲線でも、この手法で接線の傾きを求めることができます。
1. 媒介変数表示とは
曲線が
x=f(t),y=g(t)
のように、パラメータ t を使って表されているとき、これを媒介変数表示(パラメータ表示)といいます。
例: 単位円は x=cost、y=sint(0≤t<2π)と表せます。
2. 媒介変数表示の微分公式
x=f(t)、y=g(t) がともに微分可能で dtdx=f′(t)=0 のとき、
dxdy=dtdxdtdy=f′(t)g′(t)
2.1. 導出の考え方
連鎖律(合成関数の微分)から
dtdy=dxdy⋅dtdx
これを dxdy について解くと上の公式が得られます。
2.2. 第2次導関数
dx2d2y=dxd(dxdy)=dtdxdtd(dxdy)
3. 接線の方程式の求め方
パラメータ t=t0 に対応する点 (x0,y0)=(f(t0),g(t0)) における接線の傾きは
m=f′(t0)g′(t0)
接線の方程式は
y−y0=m(x−x0)
4. 例題
問題1(基本): 次の媒介変数表示の曲線について、t=4π における接線の方程式を求めなさい。
x=2cost,y=3sint
解答:
dtdx=−2sint,dtdy=3cost
dxdy=−2sint3cost=−2sint3cost
t=4π のとき
dxdyt=4π=−2⋅223⋅22=−23
接点の座標:
x0=2cos4π=2,y0=3sin4π=232
接線の方程式:
y−232=−23(x−2)
y=−23x+232+232=−23x+32
問題2(発展・サイクロイド): サイクロイドの接線を求めなさい。
x=t−sint,y=1−cost
t=2π における接線の方程式を求めなさい。
解答:
dtdx=1−cost,dtdy=sint
dxdy=1−costsint
t=2π のとき
dxdyt=2π=1−cos2πsin2π=1−01=1
接点の座標:
x0=2π−sin2π=2π−1,y0=1−cos2π=1
接線の方程式:
y−1=1⋅(x−(2π−1))
y=x−2π+2
問題3(第2次導関数): x=t2、y=t3 のとき dx2d2y を求めなさい。
解答:
dtdx=2t,dtdy=3t2
dxdy=2t3t2=23t(t=0)
dx2d2y=dtdxdtd(23t)=2t23=4t3
5. 媒介変数表示が便利な曲線
| 曲線 |
媒介変数表示 |
| 単位円 |
x=cost, y=sint |
| 楕円 a2x2+b2y2=1 |
x=acost, y=bsint |
| サイクロイド |
x=t−sint, y=1−cost |
| 放物線 y2=4px |
x=pt2, y=2pt |
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6. クイズ
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x=t2+1、y=2t のとき、dxdy を t で表しなさい。
正解: t1
dtdx=2t、dtdy=2 なので dxdy=2t2=t1。
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x=et、y=e2t のとき、dxdy を x を使って表しなさい。
正解: 2x
dxdy=et2e2t=2et=2x。
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x=cost、y=sint のとき、t=6π における接線の傾きはいくらですか?
正解: −3
dxdy=−sintcost=−cott。t=6π のとき −cot6π=−3。