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独立試行と条件付き確率【反復試行・ベイズの定理】

公開日: 2026/7/11

📐 公式まとめ

  • 1.2. 独立試行の乗法定理

    P(AB)=P(A)×P(B)P(A \cap B) = P(A) \times P(B)
  • 1.2. 独立試行の乗法定理

    P(表かつ1)=12×16=112P(\text{表かつ1}) = \frac{1}{2} \times \frac{1}{6} = \frac{1}{12}
  • 2.2. 反復試行の公式

    P=nCrprqnrP = {}_nC_r \, p^r q^{n-r}
  • 3.1. 条件付き確率の定義

    P(BA)=P(AB)P(A)(P(A)>0)P(B|A) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)} \quad (P(A) > 0)
  • 4.1. 確率の乗法定理

    P(AB)=P(A)×P(BA)P(A \cap B) = P(A) \times P(B|A)
  • 4.2. 全確率の定理

    P(A)=k=1nP(Bk)×P(ABk)P(A) = \sum_{k=1}^{n} P(B_k) \times P(A|B_k)
  • 5.1. ベイズの定理とは

    P(BkA)=P(Bk)×P(ABk)j=1nP(Bj)×P(ABj)P(B_k|A) = \frac{P(B_k) \times P(A|B_k)}{\displaystyle\sum_{j=1}^{n} P(B_j) \times P(A|B_j)}

独立試行と条件付き確率【反復試行・ベイズの定理】

確率の学習が進むと、「前の結果が次に影響するか」という視点が重要になってきます。独立試行では前の結果が影響せず、条件付き確率では「ある事象が起きた条件のもとでの確率」を求めます。この2つを理解することで、より複雑な確率問題を解く力がつきます。


1. 独立試行

1.1. 独立試行とは

2つの試行において、一方の結果が他方の確率に影響を与えないとき、この2つの試行は互いに独立であるといいます。

例: コインを投げながら、同時にサイコロを振る場合、コインの表裏はサイコロの目に影響しません。

1.2. 独立試行の乗法定理

事象 AABB が独立のとき:

P(AB)=P(A)×P(B)P(A \cap B) = P(A) \times P(B)

例題: コインを投げて表が出る確率と、サイコロで1が出る確率はそれぞれ 12\frac{1}{2}16\frac{1}{6} です。両方同時に起こる確率は?

P(表かつ1)=12×16=112P(\text{表かつ1}) = \frac{1}{2} \times \frac{1}{6} = \frac{1}{12}

2. 反復試行

2.1. 反復試行とは

同じ条件の試行を繰り返すことを反復試行といいます。各回の試行は互いに独立です。

2.2. 反復試行の公式

nn 回の試行で、事象 AA の起こる確率を pp(起こらない確率を q=1pq = 1-p)とするとき、ちょうど rrAA が起こる確率は:

P=nCrprqnrP = {}_nC_r \, p^r q^{n-r}

この式は二項分布の確率公式でもあります。

2.3. 例題1:コインを4回投げる

問題: コインを4回投げて、ちょうど3回表が出る確率を求めよ。

解答:

  • n=4n = 4(試行回数)
  • r=3r = 3(表の出る回数)
  • p=12p = \frac{1}{2}(表の確率)
  • q=112=12q = 1 - \frac{1}{2} = \frac{1}{2}(裏の確率)
P=4C3(12)3(12)1=4×18×12=416=14P = {}_4C_3 \left(\frac{1}{2}\right)^3 \left(\frac{1}{2}\right)^1 = 4 \times \frac{1}{8} \times \frac{1}{2} = \frac{4}{16} = \frac{1}{4}

2.4. 例題2:サイコロを5回振る

問題: サイコロを5回振って、1の目がちょうど2回出る確率を求めよ。

解答:

  • n=5n = 5r=2r = 2
  • p=16p = \frac{1}{6}q=56q = \frac{5}{6}
P=5C2(16)2(56)3=10×136×125216=12507776=6253888P = {}_5C_2 \left(\frac{1}{6}\right)^2 \left(\frac{5}{6}\right)^3 = 10 \times \frac{1}{36} \times \frac{125}{216} = \frac{1250}{7776} = \frac{625}{3888}

3. 条件付き確率

3.1. 条件付き確率の定義

事象 AA が起きたという条件のもとで、事象 BB が起こる確率を条件付き確率といい、P(BA)P(B|A) と書きます。

P(BA)=P(AB)P(A)(P(A)>0)P(B|A) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)} \quad (P(A) > 0)

直感的な意味: 全体の確率空間 Ω\Omega を、AA が起きた場合に絞り込んだ「新しい確率空間」の中で BB を見る。

3.2. 例題3:カードを引く問題

問題: 1〜10の番号がついたカードが10枚ある。1枚引いたとき、「偶数である」という条件のもとで「4の倍数である」確率を求めよ。

解答:

  • 事象 AA:偶数が出る → {2, 4, 6, 8, 10}、P(A)=510=12P(A) = \frac{5}{10} = \frac{1}{2}
  • 事象 BB:4の倍数が出る → {4, 8}
  • ABA \cap B:偶数かつ4の倍数 → {4, 8}、P(AB)=210=15P(A \cap B) = \frac{2}{10} = \frac{1}{5}
P(BA)=P(AB)P(A)=1512=25P(B|A) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)} = \frac{\frac{1}{5}}{\frac{1}{2}} = \frac{2}{5}

4. 乗法定理と全確率の定理

4.1. 確率の乗法定理

P(AB)=P(A)×P(BA)P(A \cap B) = P(A) \times P(B|A)

条件付き確率の定義式を変形したものです。

4.2. 全確率の定理

事象 B1,B2,,BnB_1, B_2, \ldots, B_n が互いに排反で、どれか1つは必ず起こる(全事象を分割している)とき:

P(A)=k=1nP(Bk)×P(ABk)P(A) = \sum_{k=1}^{n} P(B_k) \times P(A|B_k)

5. ベイズの定理

5.1. ベイズの定理とは

「原因から結果」の確率がわかっているとき、「結果から原因」の確率(事後確率)を求める定理です。

P(BkA)=P(Bk)×P(ABk)j=1nP(Bj)×P(ABj)P(B_k|A) = \frac{P(B_k) \times P(A|B_k)}{\displaystyle\sum_{j=1}^{n} P(B_j) \times P(A|B_j)}

5.2. 例題4:2つの箱からボールを引く

問題:XX には赤玉3個・白玉2個、箱 YY には赤玉1個・白玉4個が入っている。コインを投げて表なら箱 XX、裏なら箱 YY を選び、1個取り出したとき赤玉だった。箱 XX を選んでいた確率を求めよ。

解答:

  • P(X)=P(Y)=12P(X) = P(Y) = \frac{1}{2}(コインで選ぶ)
  • P(X)=35P(\text{赤}|X) = \frac{3}{5}P(Y)=15P(\text{赤}|Y) = \frac{1}{5}

全確率の定理より:

P()=12×35+12×15=310+110=410=25P(\text{赤}) = \frac{1}{2} \times \frac{3}{5} + \frac{1}{2} \times \frac{1}{5} = \frac{3}{10} + \frac{1}{10} = \frac{4}{10} = \frac{2}{5}

ベイズの定理より:

P(X)=P(X)×P(X)P()=12×3525=31025=310×52=34P(X|\text{赤}) = \frac{P(X) \times P(\text{赤}|X)}{P(\text{赤})} = \frac{\dfrac{1}{2} \times \dfrac{3}{5}}{\dfrac{2}{5}} = \frac{\dfrac{3}{10}}{\dfrac{2}{5}} = \frac{3}{10} \times \frac{5}{2} = \frac{3}{4}

6. まとめ

概念 公式 ポイント
独立試行 P(AB)=P(A)P(B)P(A \cap B) = P(A)P(B) 2つの試行が互いに影響しない
反復試行 nCrprqnr{}_nC_r p^r q^{n-r} 同じ試行を nn 回繰り返す
条件付き確率 P(BA)=P(AB)P(A)P(B \lvert A) = \dfrac{P(A \cap B)}{P(A)} AA が起きた条件下の BB の確率
ベイズの定理 P(BkA)=P(Bk)P(ABk)P(Bj)P(ABj)P(B_k \lvert A) = \dfrac{P(B_k)P(A \lvert B_k)}{\sum P(B_j)P(A \lvert B_j)} 「結果から原因」の確率を求める

確率の基本概念は 確率の基本 で確認しておきましょう。確率変数の平均(期待値)については 期待値 で学びます。


7. クイズ

問1. サイコロを3回振って、ちょうど1回だけ偶数の目が出る確率を求めよ。

正解: 38\dfrac{3}{8}

解説: p=12p = \frac{1}{2}(偶数の確率)、n=3n=3r=1r=1  3C1(12)1(12)2=3×18=38\;{}_3C_1\left(\frac{1}{2}\right)^1\left(\frac{1}{2}\right)^2 = 3 \times \frac{1}{8} = \frac{3}{8}

問2. 赤玉4個・白玉6個の袋から1個取り出し、それを戻さずさらに1個取り出す。2個とも赤玉である確率を求めよ。

正解: 215\dfrac{2}{15}

解説: P(1回目赤)=410P(\text{1回目赤}) = \frac{4}{10}P(2回目赤1回目赤)=39P(\text{2回目赤}|\text{1回目赤}) = \frac{3}{9}。乗法定理より 410×39=1290=215\frac{4}{10} \times \frac{3}{9} = \frac{12}{90} = \frac{2}{15}

問3. 箱Aには当たり2本・はずれ3本、箱Bには当たり1本・はずれ4本のくじがある。どちらの箱かを等確率で選んで1本引いたら当たりだった。箱Aを選んでいた確率を求めよ。

正解: 23\dfrac{2}{3}

解説: P(当たり)=12×25+12×15=310P(\text{当たり}) = \frac{1}{2}\times\frac{2}{5} + \frac{1}{2}\times\frac{1}{5} = \frac{3}{10}。ベイズより P(A当たり)=12×25310=15310=23P(A|\text{当たり}) = \frac{\frac{1}{2}\times\frac{2}{5}}{\frac{3}{10}} = \frac{\frac{1}{5}}{\frac{3}{10}} = \frac{2}{3}

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