パラメータ表示と極座標【曲線の表示・極方程式】
曲線を表す方法は y=f(x) の形だけではありません。パラメータ表示(媒介変数表示)と極座標を使うと、通常の方程式では表しにくい複雑な曲線もシンプルに記述できます。この記事では2つの表示方法の基礎から、代表的な曲線の例まで解説します。
1. パラメータ表示(媒介変数表示)とは
x と y をともに、別のパラメータ t を使って表す方法です。
{x=f(t)y=g(t)
t を動かすと点 (x,y) が動き、曲線を描きます。
1.1. 円のパラメータ表示
半径 r の原点中心の円は x2+y2=r2 ですが、パラメータ表示では
{x=rcosθy=rsinθ(0≤θ<2π)
cos2θ+sin2θ=1 を使えば x2+y2=r2 が確かに成り立ちます。θ が 0 から 2π まで動くと、円を1周します。
1.2. 楕円のパラメータ表示
楕円 a2x2+b2y2=1 は
{x=acosθy=bsinθ
1.3. サイクロイド
半径 r の円が x 軸上を転がるとき、円周上の固定点が描く曲線をサイクロイドといいます。
{x=r(θ−sinθ)y=r(1−cosθ)
y=f(x) の形では表せない、美しい曲線です。
1.4. 例題 1:パラメータ表示を x・y の関係式に直す
{x=2t−1y=t2+1
解答
x=2t−1 より t=2x+1。これを y に代入すると
y=(2x+1)2+1=4(x+1)2+1
これは頂点 (−1,1) の放物線です。
2. 極座標とは
通常の直交座標 (x,y) の代わりに、原点からの距離 r と偏角 θ(x 軸正方向からの角度)で点を表す方法です。
P=(r,θ)極座標
直交座標との変換式
x=rcosθ,y=rsinθ
r=x2+y2,tanθ=xy
2.1. 例:直交座標 → 極座標
点 (3,1) を極座標で表せ。
r=(3)2+12=4=2
tanθ=31⟹θ=6π
よって極座標は (2,6π)。
3. 極方程式
極座標を用いて曲線を r=f(θ) のように表したものを極方程式(極座標方程式)といいます。
3.1. 代表的な極方程式
円 — 原点を通り、半径 a、中心が x 軸正方向上の円:
r=2acosθ
確認:r=2acosθ の両辺に r をかけると r2=2arcosθ、すなわち x2+y2=2ax、つまり (x−a)2+y2=a2。
レムニスケート(8の字形):
r2=a2cos2θ
カルジオイド(心臓形):
r=a(1+cosθ)
3.2. 例題 2:極方程式を直交座標に変換
r=cosθ2 はどんな曲線か。
解答
両辺に cosθ をかけると rcosθ=2。x=rcosθ より x=2(y 軸に平行な直線)。
3.3. 例題 3:極方程式を求める
中心が極(原点)で半径 3 の円の極方程式を求めよ。
解答
円の方程式は x2+y2=9、すなわち r2=9。r≥0 より r=3。
4. パラメータ表示と極座標の関係
極方程式 r=f(θ) は x=f(θ)cosθ、y=f(θ)sinθ とパラメータ θ で表した形に書き直せます。つまり極方程式はパラメータ表示の一種とみなせます。
関連記事として、二次曲線(楕円・放物線・双曲線)の詳しい解説は「二次曲線の基本」を参照してください。
5. クイズ
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パラメータ表示 x=3cosθ、y=3sinθ が表す曲線は何か。
正解:半径3の円(原点中心) x2+y2=9cos2θ+9sin2θ=9。
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極座標 (4,3π) を直交座標に変換せよ。
正解:(2,23) x=4cos3π=4×21=2、y=4sin3π=4×23=23。
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極方程式 r=4sinθ を直交座標の方程式に変換せよ。
正解:x2+(y−2)2=4 両辺に r をかけると r2=4rsinθ、x2+y2=4y、整理して x2+y2−4y=0、x2+(y−2)2=4(中心 (0,2)、半径 2 の円)。