1. 複素数平面とは
複素数 z=a+bi は、平面上の点 (a,b) として表すことができます。この平面を複素数平面(ガウス平面)といい、横軸(実軸)に実部 a、縦軸(虚軸)に虚部 b をとります。複素数を平面上の点や、原点からのベクトル と同じように考えると、絶対値や角度のイメージがつかみやすくなります。
2. 複素数の絶対値と偏角
原点から点 z=a+bi までの距離を、複素数の絶対値といい ∣z∣ と表します。
∣z∣=a2+b2
また、実軸の正の向きから複素数 z までの回転角を偏角といい、argz と表します。
2.1. 例題1: 絶対値と偏角を求める
z=1+3i の絶対値と偏角を求めなさい。
∣z∣=12+(3)2=1+3=2
実部 1、虚部 3 の点は第1象限にあり、tan(argz)=13=3 となる角は 60∘ なので、argz=60∘ です。
3. 極形式とは
複素数 z=a+bi は、絶対値 r=∣z∣ と偏角 θ=argz を使って、次の極形式でも表せます。
z=r(cosθ+isinθ)
3.1. 例題2: 極形式で表す
z=−1+i を極形式で表しなさい。
∣z∣=(−1)2+12=2
z は第2象限の点で、x 軸から 135∘ の位置にあるので argz=135∘ です。よって、
z=2(cos135∘+isin135∘)
(本文中への画像挿入案: /images/math-c/fukusosuu-heimen-heimen.png、alt=「複素数平面上の点zと絶対値r・偏角θの関係を示した図」をこのセクションの下に配置すると、極形式の意味が視覚的に伝わりやすくなります。)
4. 極形式のかけ算・わり算
極形式で表した複素数どうしのかけ算・わり算は、絶対値どうしのかけ算・わり算と、偏角どうしの足し算・引き算に対応します。
r1(cosθ1+isinθ1)×r2(cosθ2+isinθ2)=r1r2{cos(θ1+θ2)+isin(θ1+θ2)}
4.1. 例題3: 極形式でかけ算をする
z1=2(cos60∘+isin60∘)、z2=2(cos135∘+isin135∘) の積を求めなさい。
z1z2=22{cos(60∘+135∘)+isin(60∘+135∘)}=22(cos195∘+isin195∘)
5. ド・モアブルの定理(発展)
極形式のかけ算を繰り返し使うと、複素数の n 乗を求めるド・モアブルの定理が得られます。
{r(cosθ+isinθ)}n=rn(cosnθ+isinnθ)
5.1. 例題4: ド・モアブルの定理を使う
z=2(cos60∘+isin60∘) について、z4 を極形式と直交形式の両方で求めなさい。
z4=24(cos240∘+isin240∘)=16(cos240∘+isin240∘)
cos240∘=−21、sin240∘=−23 なので、
z4=16(−21−23i)=−8−83i
6. クイズ
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z=3+i の絶対値と偏角を求めなさい。
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正解: ∣z∣=2、argz=30∘。∣z∣=3+1=2、tan(argz)=31 となる角は 30∘。
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z=2(cos30∘+isin30∘) を4乗した結果を極形式で答えなさい。
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正解: 16(cos120∘+isin120∘)。ド・モアブルの定理より z4=24(cos(4×30∘)+isin(4×30∘))=16(cos120∘+isin120∘)。