1. ベクトルとは
ベクトルとは、大きさと向きの両方を持つ量のことです。平面上のベクトルは、成分を使って a=(a1,a2) のように表せます。矢印の記号がついた a は、始点から終点への「向き」と「長さ」をまとめて表す量だとイメージしましょう。
2. ベクトルの成分表示と大きさ
ベクトル a=(a1,a2) の大きさ(長さ)は、三平方の定理を使って次の式で求められます。
∣a∣=a12+a22
2.1. 例題1: ベクトルの大きさを求める
a=(3,4) の大きさを求めなさい。
∣a∣=32+42=9+16=25=5
3. ベクトルの加法・減法・実数倍
成分表示されたベクトルの計算は、成分どうしをそのまま計算するだけです。
a+b=(a1+b1, a2+b2),a−b=(a1−b1, a2−b2),ka=(ka1, ka2)
(本文中への画像挿入案: /images/math-c/heimen-vector-kihon-heikou.png、alt=「ベクトルの加法を平行四辺形で示した図」をこのセクションの下に配置すると、成分計算と図形的なイメージがつながりやすくなります。)
3.1. 例題2: ベクトルの加法・減法
a=(1,2)、b=(3,−1) のとき、a+b、a−b、2a をそれぞれ求めなさい。
a+b=(1+3, 2−1)=(4,1)
a−b=(1−3, 2−(−1))=(−2,3)
2a=(2×1, 2×2)=(2,4)
4. ベクトルの内積とは
内積は、2つのベクトルからひとつの数(スカラー)を作る計算で、次の2通りの方法で定義されます。
a⋅b=∣a∣∣b∣cosθ(θ は a,b のなす角)
5. 内積の成分による計算
成分がわかっている場合は、次の式で内積を直接計算できます。
a⋅b=a1b1+a2b2
5.1. 例題3: 内積を成分で計算する
a=(2,1)、b=(1,3) の内積を求めなさい。
a⋅b=2×1+1×3=2+3=5
6. 内積を使って2つのベクトルのなす角を求める
内積の2つの定義を組み合わせると、なす角 θ は次の式で求められます。
cosθ=∣a∣∣b∣a⋅b
6.1. 例題4: なす角を求める
a=(1,0)、b=(1,1) のなす角 θ を求めなさい。
内積は a⋅b=1×1+0×1=1、大きさは ∣a∣=1、∣b∣=12+12=2 なので、
cosθ=1×21=21=22
cosθ=22 となる角は θ=45∘ です。
7. クイズ
-
a=(2,−3)、b=(−1,4) のとき、a⋅b を求めなさい。
答えを見る
正解: −14。a⋅b=2×(−1)+(−3)×4=−2−12=−14。
-
a=(3,0)、b=(0,4) のなす角を求めなさい。
答えを見る
正解: 90∘。内積は a⋅b=3×0+0×4=0 なので cosθ=0、よって θ=90∘(2つのベクトルは垂直)。