1. 漸化式とは
漸化式とは、数列のある項を、その前の項を使って表した式のことです。等差数列・等比数列の一般項 も、実は漸化式の特別な場合だと考えられます。漸化式が与えられたとき、n を使わずに直接第 n 項を表す式(一般項)を求めることを「漸化式を解く」といいます。
2. 基本的な漸化式のパターン
2.1. 例題1: 等差型の漸化式
a1=2、an+1=an+3 で定まる数列の一般項を求めなさい。
「次の項 = 前の項 + 一定の数」の形なので、公差 3 の等差数列です。
an=2+3(n−1)=3n−1
2.2. 例題2: 等比型の漸化式
a1=5、an+1=2an で定まる数列の一般項を求めなさい。
「次の項 = 前の項 × 一定の数」の形なので、公比 2 の等比数列です。
an=5×2n−1
3. an+1=pan+q 型の漸化式の解き方
等差型でも等比型でもない、次の形の漸化式もよく登場します。
an+1=pan+q(p=1)
この形は、方程式 α=pα+q の解 α(不動点)を使って、bn=an−α とおくと bn が等比数列になる、という性質を利用して解きます。
3.1. 例題3: an+1=pan+q 型を解く
a1=1、an+1=3an+2 で定まる数列の一般項を求めなさい。
まず α=3α+2 を解くと、−2α=2 より α=−1 です。ここで bn=an+1 とおくと、
bn+1=an+1+1=(3an+2)+1=3an+3=3(an+1)=3bn
よって {bn} は公比 3 の等比数列で、初項は b1=a1+1=2 なので、
bn=2×3n−1
bn=an+1 だったので、
an=2×3n−1−1
実際に a1=2×1−1=1、a2=3×1+2=5=2×3−1 となり、式が正しいことが確認できます。
4. 数学的帰納法とは
数学的帰納法は、「すべての自然数 n」について成り立つ主張を証明するための方法です。ドミノ倒しのように、最初の1つが倒れて、かつ「あるドミノが倒れたら次も倒れる」ことがいえれば、すべてのドミノが倒れると考えます。
5. 数学的帰納法の証明の手順
- n=1 のとき成り立つことを示す
- n=k のとき成り立つと仮定して、その仮定を使って**n=k+1 のときも成り立つ**ことを示す
- ①②から、すべての自然数 n について成り立つと結論づける
(本文中への画像挿入案: /images/math-b/zenkashiki-kihon-kinouhou.png、alt=「数学的帰納法の証明の流れをドミノ倒しに例えた図」をこのセクションの下に配置すると、n=1の成立とn=kからn=k+1への連鎖のイメージが伝わりやすくなります。)
5.1. 例題4: 漸化式の結果を数学的帰納法で証明する
例題3の漸化式 a1=1、an+1=3an+2 から求めた an=2×3n−1−1 が、すべての自然数 n で成り立つことを数学的帰納法で証明しなさい。
① n=1 のとき
右辺は 2×30−1=2−1=1 となり、与えられた a1=1 と一致するので成り立つ。
② n=k のとき成り立つと仮定
ak=2×3k−1−1 が成り立つと仮定する。漸化式 ak+1=3ak+2 に代入すると、
ak+1=3(2×3k−1−1)+2=2×3k−3+2=2×3k−1
これは n=k+1 のときの式 ak+1=2×3(k+1)−1−1=2×3k−1 と一致する。
結論
①②より、すべての自然数 n について an=2×3n−1−1 が成り立つ。
6. クイズ
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a1=4、an+1=an−5 で定まる数列の一般項を求めなさい。
答えを見る
正解: an=−5n+9。公差 −5 の等差数列なので an=4+(n−1)×(−5)=−5n+9。
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数学的帰納法の証明に必要な2つのステップを答えなさい。
答えを見る
正解: ①n=1(最初の場合)で成り立つことを示す、②n=kで成り立つと仮定してn=k+1でも成り立つことを示す、の2つ。