等差数列と等比数列【一般項・和の公式】
数学Bの「数列」分野で最初に学ぶのが、等差数列と等比数列です。この2つは数列の中で最も基本的な形であり、一般項と和の公式を確実に使えるようにすることが重要です。
1. 等差数列とは
隣り合う2項の差が常に一定の数列を等差数列といいます。この一定の差を公差(こうさ)といい、d で表します。
例:2,5,8,11,14,… は公差 d=3 の等差数列です。
1.1. 等差数列の一般項
初項を a、公差を d とすると、第 n 項(一般項)は次の式で表せます。
an=a+(n−1)d
例: 初項 a=3、公差 d=4 の等差数列の一般項は
an=3+(n−1)⋅4=4n−1
1.2. 等差数列の和の公式
初項 a、末項 l、項数 n の等差数列の和 Sn は次の公式で求められます。
Sn=2n(a+l)
また、末項 l=a+(n−1)d を代入すると
Sn=2n{2a+(n−1)d}
なぜこの公式が成り立つのか?
数列の和を2通りの順番で書き、足し合わせると各ペアの和が (a+l) になることから導けます。
SnSn=a+(a+d)+⋯+(l−d)+l=l+(l−d)+⋯+(a+d)+a
両辺を足すと 2Sn=n(a+l)、よって Sn=2n(a+l)。
2. 等比数列とは
隣り合う2項の比が常に一定の数列を等比数列といいます。この一定の比を公比(こうひ)といい、r で表します。
例:2,6,18,54,… は公比 r=3 の等比数列です。
2.1. 等比数列の一般項
初項を a、公比を r とすると、第 n 項(一般項)は次の式で表せます。
an=a⋅rn−1
例: 初項 a=5、公比 r=2 の等比数列の一般項は
an=5⋅2n−1
2.2. 等比数列の和の公式
初項 a、公比 r、項数 n の等比数列の和 Sn について
Sn=1−ra(1−rn)=r−1a(rn−1)
- r=1 のとき:すべての項が a なので、Sn=na
公式の導き方(r=1 の場合)
Sn=a+ar+ar2+⋯+arn−1
両辺を r 倍すると
rSn=ar+ar2+⋯+arn−1+arn
引き算すると中間の項が消えて
(1−r)Sn=a−arn=a(1−rn)
よって Sn=1−ra(1−rn)。
3. 例題
3.1. 例題1(等差数列)
問題: 等差数列 3,7,11,… の第 10 項と、初項から第 10 項までの和を求めよ。
解答:
初項 a=3、公差 d=4 なので
a10=3+(10−1)×4=3+36=39
和の公式を使って
S10=210(3+39)=210×42=210
3.2. 例題2(等比数列)
問題: 初項 2、公比 3 の等比数列について、第 5 項と初項から第 5 項までの和を求めよ。
解答:
a5=2×35−1=2×81=162
S5=3−12(35−1)=22×242=242
3.3. 例題3(応用:一般項を求める)
問題: 等差数列において、第 3 項が 11、第 7 項が 27 であるとき、初項と公差を求めよ。また、一般項を求めよ。
解答:
一般項の公式 an=a+(n−1)d を用いると
{a+2d=11a+6d=27
引き算して 4d=16、よって d=4。
a+2×4=11 より a=3。
an=3+(n−1)×4=4n−1
4. 等差数列と等比数列の比較まとめ
|
等差数列 |
等比数列 |
| 定義 |
隣の差が一定(公差 d) |
隣の比が一定(公比 r) |
| 一般項 |
an=a+(n−1)d |
an=arn−1 |
| 和(基本形) |
Sn=2n(2a+(n−1)d) |
Sn=r−1a(rn−1)(r=1) |
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6. クイズ
1. 初項 5、公差 3 の等差数列の第 8 項はどれか。
答えを見る
正解:26
a8=5+(8−1)×3=5+21=26
2. 初項 1、公比 2 の等比数列で、初項から第 6 項までの和はいくらか。
答えを見る
正解:63
S6=2−11⋅(26−1)=64−1=63
3. 等差数列 {an} において a1=4, a5=20 のとき、公差 d を求めよ。
答えを見る
正解:d=4
a5=a1+4d より 20=4+4d、4d=16、d=4