Σの計算【シグマの公式・数列の和】
数学Bの「数列」分野において、Σ(シグマ)記号は数列の和をコンパクトに表す非常に便利な記法です。Σの定義と基本公式を理解することで、複雑な数列の和も効率よく計算できるようになります。
1. Σ記号とは
k=1∑nak は「k を 1 から n まで変化させたときの ak の総和」を表します。
k=1∑nak=a1+a2+a3+⋯+an
読み方: 「k=1 から n までの ak の和」
具体例:
k=1∑4k=1+2+3+4=10
k=1∑3k2=12+22+32=1+4+9=14
2. Σの性質
c を定数とするとき、以下の性質が成り立ちます。
性質1(定数倍):
k=1∑ncak=ck=1∑nak
性質2(和の分割):
k=1∑n(ak+bk)=k=1∑nak+k=1∑nbk
性質3(定数の和):
k=1∑nc=nc
3. 基本公式3つ
以下の3つの公式は最重要です。必ず覚えておきましょう。
3.1. 公式1:自然数の和
k=1∑nk=2n(n+1)
導き方: S=1+2+⋯+n と S=n+(n−1)+⋯+1 を足すと 2S=n(n+1)。
3.2. 公式2:自然数の2乗の和
k=1∑nk2=6n(n+1)(2n+1)
3.3. 公式3:自然数の3乗の和
k=1∑nk3={2n(n+1)}2
この公式3は注目に値します。k=1∑nk3=(k=1∑nk)2 が成り立っています。
4. 例題
4.1. 例題1:基本公式の利用
問題: k=1∑10k と k=1∑10k2 を求めよ。
解答:
k=1∑10k=210×11=55
k=1∑10k2=610×11×21=62310=385
4.2. 例題2:Σの性質を使った計算
問題: k=1∑n(3k2+2k−1) を n の式で表せ。
解答:
Σの性質(和の分割・定数倍)を使って
k=1∑n(3k2+2k−1)=3k=1∑nk2+2k=1∑nk−k=1∑n1
各公式を代入すると
=3⋅6n(n+1)(2n+1)+2⋅2n(n+1)−n
=2n(n+1)(2n+1)+n(n+1)−n
=n{2(n+1)(2n+1)+(n+1)−1}
=n⋅2(n+1)(2n+1)+2(n+1)−2
=n⋅22n2+3n+1+2n+2−2
=n⋅22n2+5n+1
=2n(2n2+5n+1)
4.3. 例題3:添字の変換
問題: k=1∑n(2k−1) を求めよ(1 から n までの奇数の和)。
解答:
k=1∑n(2k−1)=2k=1∑nk−k=1∑n1=2⋅2n(n+1)−n=n(n+1)−n=n2
確認: 1+3+5+⋯+(2n−1)=n2 は有名な公式です。例えば n=4 のとき 1+3+5+7=16=42 で確認できます。
4.4. 例題4:部分分数分解との組み合わせ
問題: k=1∑nk(k+1)1 を求めよ。
解答:
部分分数分解を使います。
k(k+1)1=k1−k+11
よって
k=1∑nk(k+1)1=k=1∑n(k1−k+11)
これは望遠鏡和(テレスコーピング)の形で、中間の項が消えて
=(1−21)+(21−31)+⋯+(n1−n+11)=1−n+11=n+1n
5. Σを使う際の注意点
- k はシグマ内だけで有効なダミー変数(束縛変数)。外では使えません。
- k=1∑nk2=(k=1∑nk)2 に注意(公式3は3乗の場合のみ成立)。
- 問題によっては添字の開始が k=0 や k=2 になる場合もあります。その場合は公式を適用する前に添字を調整しましょう。
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7. クイズ
1. k=1∑5k の値はいくらか。
答えを見る
正解:15
25×6=15
2. k=1∑n4 を n の式で表せ。
答えを見る
正解:4n
k=1∑nc=nc より k=1∑n4=4n
3. k=1∑4k2 の値はいくらか。
答えを見る
正解:30
64×5×9=6180=30